ファンダメンタルズ分析とは、国や地域の経済活動・金融政策・財務状況から中長期的な価格変動を予想する分析方法です。各国の経済状況は経済成長率(GDP)・雇用統計・失業率・物価指数などの経済指標から読み取ることができます。
メリット | デメリット |
---|---|
トレンド把握がしやすい | 分析に手間と時間がかかる |
中長期の投資には最適 | 短期的な取引には向いていない |
過去の傾向に惑わされない | 経済指標を読み取る知識が必要 |
ファンダメンタルズ分析は基本的に経済指標を使用して行うため「経済指標を読み解く力」が必要になります。一見すると難しそうに見えますが、考えることは「どちらの通貨を欲しいと思うか?」なので、考え方が分かれば難しいことはありません。
経済指標による相場分析
ファンダメンタルズ分析で主に使用するのが経済指標です。経済指標とは国の経済活動を表す統計データのことであり、各国が定期的に国内総生産(GDP)・消費者物価指数・失業率・雇用者数などを公表しています。
抑えておくべき経済指標一覧
経済指標を確認する上で注目しなければいけないポイントは内容とインパクトです。
内容で大切なのは「経済指標の結果が好景気と不景気のどちらに繋がるか」ということです。仮にアメリカの失業率低下は景気が回復していると判断できるため、ドル高に繋がります。
インパクトは大切なのは「予想と結果の乖離」です。経済指標では事前に予想値が発表されますが、予想と結果に大きな開きがあると市場に与えるインパクトが大きくなるため、為替に与える影響が大きくなります。
金融政策から読み取る為替変動
金融政策とは各国の中央銀行が自国の物価や経済を安定させるために行う政策のことです。日本では日本銀行が役割を担っており、公開市場操作や金利調整によって過度なインフレ・デフレとならないような調整を行っています。
金融政策の中でも特に注目されるのが政策金利です。一般的に投資家は金利が低い通貨から金利が高い通貨に資産を交換した方がより多くの利息が貰えるため、「政策金利が上昇する=需要が高まる」というように考えることができます。
要人発言が為替相場に与える影響
要人発言とは国家元首や中央銀行トップなど国の経済政策や方針を決定することができる立場にある人の発言を指します。日本では首相や日本銀行の総裁による発言が為替相場に大きな影響を与えるため注意が必要です。
例えば長期的に低金利を続けている日本の総理が『金利が低すぎるので上げるべきだ』と発言したらどうなるでしょう?
テレビのコメンテーターのように決定権がない人物であれば特に影響もありませんが、実行力のある総理大臣の発言となれば実際に実施される可能性が高まるため円高の原因となります。
地政学的リスクと為替相場の関係性
地政学的リスクとは地域的な特性や周辺諸国との関係が国にもたらすリスクのことです。地政学的リスクによる急騰や暴落は突発的に発生することも少なくないため、活用して稼ぐことは難しく、発生時に影響を受けないようにリスクケアをしておくことが重要となります。
例えば原油の主要産出国である中東で戦争が発生すると、原油の輸出量が極端に制限されるため、原油価格の高騰に繋がります。また、戦争やテロが発生すると、投資家はリスク資産である株を手放して、安全資産と呼ばれるドル・円・金(ゴールド)を積極的に購入するようになります。