- 中国人民元の特徴
- バイナリーオプション業者で取扱いのある中国人民元との通貨ペア
- 中国人民元の経済指標と発表後の人民元の動き
こんにちは!パンダ専務です。
今回は、世界第二位の経済大国といわれている中国人民元(CNY)がどの様な通貨なのか、あまり詳しく知らない方も多いと感じるので、為替としての存在感を増してきている中国人民元について解説をしていきます。
世界第二位の経済大国であるにも関わらず、中国人民元(CNY)の世界的な流通量はそこまで大きなものではありません。
パンダ専務世界2位の経済規模なのに、流通量はそこまで多くないというのが人民元の不思議な所です。
経済指標などの発表も行われていますが、それが「事実」なのかいまいち信憑性が無いと考えている投資家も多く、信頼性にいまいち欠けるイメージが抜けません。
ここでは、中国人民元の特徴や重要な経済指標、バイナリーオプションではどの様に狙うのかなどについて、解説していきますので、通貨としての信憑性が本当にあるものなのかも特徴を知る事でしっかりと把握してください。
中国人民元(CNY)の特徴|世界第2位の経済大国の通貨の重要性
世界第2位の経済大国でありながら、為替相場では「絶大な影響力」があるとは言えないのが、中国人民元ではあるのですが、昨今では徐々に影響力がある通貨となってきています。
とは言え、わからない点が非常に多いと言われているのは事実なので、まずはその特徴から見ていきましょう。
管理された変動相場制
為替レートは基本的に市場の需要と供給によって決まりますが、中国人民銀行が政策目標に基づいて積極的に介入・管理します。
これは、人民元(人民幣)の為替レートが完全に自由に変動するのではなく、中国政府(主に中国人民銀行)が強い影響力を持ちながら、一定の範囲内で市場の需給を反映させる仕組みでることを表しています。
だからこそ、為替取引として中国人民元の人気は高くありませんし、政府が常に介入している事から信憑性があるのか疑問に感じているという訳です。
- 急激な元高や元安を防ぎ、経済と金融市場の安定を図る。
- 輸出競争力の維持や輸入物価の抑制など、経済政策の目標に沿って為替レートを誘導する。
誘導・管理・抑制と聞くと疑問に感じてしまうかもしれませんが、これが社会主義であり、資本主義ではない中国の利点と言えるでしょう。
政党がひとつしかない事から、何でも出来てしまうのが中国の怖さであり、どこかで警戒してしまうからこそ、信憑性を得る事が出来ていないのかもしれません。
しかしながら、海外向けの市場ではそこまで大きな制限が設けられている事はありませんが、国内向けと国外向けで市場が違うというのは少し疑問に感じる点と言えるでしょう。
厳格な変動幅の制限
この制限に関しては他の通貨ではあまり聞く事が無いので、知らない方も多いかもしれません。
- 基準となる「中間価」
- 中国人民銀行が毎営業日の午前9時15分頃に、対米ドルなど主要通貨に対する基準レート(中間価)を公表。
- 「中間価」が、その日の為替取引の中心的な目安になる。
- 「2%」の変動幅まで
- 中国国内の外国為替市場(在岸市場・CNY)では、その日の取引レートは、公表された中間価を基準として上下2%以内に収まらなければなりません。
- 例として挙げると、中間価が1米ドル=7.1000元と設定された場合、その日の取引可能なレートの範囲は 7.2582元(2%元安)から6.9418元(2%元高)までとなるのです。
上記で解説をしていますが、変動幅は2%までとなっていて、取引可能なレートが決まっています。
この変動幅があるからこそ、安全だと捉えるのか、面白くないと捉えるのかは人それぞれと言えるかもしれませんが、この要素を知っているかと、政府からの調整が入ることを考えると大きな動きが期待できない相場である事が考えられるでしょう。
在岸(CNY)とオフショア(CNH)の二つの市場
中国には2つの市場があると言われています。在岸(CNY)とオフショア(CNH)は、地理的な位置と適用されるルールが全く異なる、2つの人民元取引市場です。
| – | CNY | CNH |
|---|---|---|
| 特徴 | 在岸市場(オンショア市場) | 離岸市場(オフショア市場) |
| 取引場所 | 中国本土(上海等) | 中国本土外(香港、シンガポール、ロンドン等) |
| 主な参加者 | 中国国内の企業・金融機関 | 海外の企業、投資家、金融機関 |
| 為替レートの決定 | 中国人民銀行の強い管理下 (中間価と±2%の変動幅) | 国際市場の需要と供給がより強く反映 (変動幅の制限なし) |
| 資本移動の規制 | 厳格に管理(資本取引の制限) | 比較的自由 |
| 主な目的 | 国内の貿易決済、経済の安定 | 国際投資、資金調達、リスクヘッジ等 |
2つに市場が分かれていて、中国の国内市場の動きをみるには、CNYを見なくてはなりませんが、この市場が政府が介入できる為、調整が行われているのか等、見えてこない部分が出来上がっています。
中国の通貨や経済指標に信憑性が無いと言われるのは二重の市場が存在していて、実情が見え難いからだとも言われているので、利用する場合は注意をしなくてはなりません。
サトウ中国の経済指標などは信憑性を疑われる事が多いです。政府の管理体制が強く、実際の情報なのかわからないというのが理由になります。
中国人民元を含む主要な通貨ペアは1種類
ここではバイナリーオプションで取引が可能な中国人民元の通貨ペアをザオプション(theoption)とブビンガ(Bubinga)を参考に紹介します。
| 通貨ペア | ザオプション | ブビンガバイナリー |
|---|---|---|
| USD/CNH | ✖ | 〇 |
| CNH/JPY | ✖ | ✖ |
| CNH/GBP | ✖ | ✖ |
| CNH/EUR | ✖ | ✖ |
バイナリーオプション業者ではCNHの取扱いがある業者の方が少ない印象です。
ブビンガバイナリーではUSD/CNHのみ取扱いがあるのみです。流通量が多くない弊害としてバイナリーオプション取引は出来ない可能性があるので、ご注意ください。
中国の重要経済指標発表と発表後の中国人民元の動き
中国の重要経済指標と発表後の中国人民元の動きについて解説をします。
動きが他の通貨と違い特徴的なので、その特徴をしっかりと知っておきましょう。
確認しておきたい中国人民元の経済指標
中国人民元で投資を考えている方にとって、重要な経済指標は知っておきたい所でしょう。景況感を見るのに指標は重要ですが、為替取引ではあまり重要とは言えない部分もあるので注意してください。
- 貿易収支
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中国の経常収支の基盤を表し、中長期的な為替レートの基本的な方向性を考える上で最重要。
巨額の貿易黒字の継続、「世界の工場」としての輸出の強さ、内需低迷による輸出への依存(過剰生産能力の背景)、輸出入の品目構成の変化(ハイテク・EV・エネルギー関連の増減)、そして対米・対ASEANなど相手国・地域による変動などを見る必要があります。
発表日:毎月中旬
- 消費者物価指数(CPI)
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中国人民銀行の金融政策を予測する上での核心指標と言われる事が多いです。
一般家庭が消費するモノやサービスの価格変動を指数化したデータ。物価の安定性や景気サイクルを判断するための「経済の体温計」としての役割を担っており、政府・企業・投資家が動向を注視する極めて重要な経済指標です。
発表日:毎月10日近辺 日本時間午前10時30分
- 外商直接投資(FDI)
-
中国への信頼と実体経済における資本の流れを示す指標と言われています。
外国企業や個人が中国国内で事業を行うため、現地法人設立、既存企業への資本参加(M&A)、技術提携などを目的に行う投資のことで、単なる株式投資とは異なり、経営への参加や長期的な事業展開を伴うのが特徴。
発表日:発表日発表時間は固定されていない
調整などが入ると考えられていますし、中国の実態経済との差異が感じられる事があるので、経済指標事態の信頼性が特段高いとは思えません。
ただし、影響力は近年高くなってきていますし、金相場と連動すると言われる事もあるので、見る時間があるのであれば見ておいた方が良いでしょう。
「中間価」が全てのカギ
人民元の対ドル相場は、中国人民銀行が毎朝設定する「中間価」を基準に、上下2%の範囲内で取引されます。
経済指標は中間価算出の根拠の一つとなりますが、管理相場制の性質上、指標の公表直後に市場が過敏に反応するケースは限定的です。
中間価を基準に上下2%というルールが存在している以上、近辺での動きしか無いというのは大きな特徴と言えるでしょう。
経済指標が発表されても、それが直接為替を動かすのではなく、その指標が「中国人民銀行の中間価設定にどのような影響を与えるか」を市場が推測し、その予想に基づいて動くという構図になっています。
人民元為替を占う上で、中間価は「すべてのカギ」を握る指標です。当局の思惑が色濃く反映される「今日の中間価」をどう読み解くかが、あらゆる分析の出発点となる事は中国人民元で取引を行うのなら覚えておかなくてはならない事です。
「政策意図」への影響が主経路
上記の中間価が何よりも重要である事と少し内容が被ってしまいますが、経済指標などのニュースが、直接為替レートを動かすのではなく、まず「中国政府・中国人民銀行が今後どのような為替政策を取りたいか」という意思(政策意図)に影響を与えるかを考えなくてはなりません。
予想値と発表値に差があるから、値が動くという直接的な考えもできなくはありませんが、それだけではあまり大きな動きには繋がりません。
これは、人民元が「管理された変動相場制」というルールで動いているからです。中国当局は、毎日の中間価を決めたり市場に直接介入したりすることで、為替の動きを自分たちでコントロールできる強い力を持っています。
経済指標は「当局への手がかり」として機能。人民元を取引で利用する際は、必ず覚えておかなくてはなりません。
パンダ専務バイナリーオプションで中国人民元の取扱いがある業者は非常に少ないです。使いたい場合はブビンガバイナリーのような、取扱い通貨ペアが多い業者を利用してください。
中国人民元(CNY)関連でよくある質問
中国人民元(CNY)関連と中国人民元(CNY)をバイナリーオプションで利用する場合に、よくある質問を纏めましたのでごらんください。
中国人民元とは?
中国人民元の最大の特徴は、管理された為替制度です。
為替レートは完全に自由ではなく、政府・中央銀行によって強く管理されています。また、中間価制度が取られていて、中国人民銀行が毎朝公示する基準レート「中間価」を中心に、市場レートは対米ドルで上下2%以内に制限されています。
人民元/円のバイナリーオプション取引は可能?
日本のFX会社では、規制の少ないオフショア市場の人民元(CNH)を対円で取引することが可能です。
国内で流通している人民元は、このCNHが主流となっています。ただし、過去に一部の取引所で取り扱いが終了した事例もあるため、最新の対応状況については各FX会社へ確認が必要です。
人民元の為替レートはどう決まる?
中国では管理変動相場制が導入されており、中国人民銀行が毎朝発表する「中間価(基準値)」が運用の軸となります。
中国国内市場(CNY)における対米ドルの値動きは、この基準値から上下2%の範囲内に制限されており、これがすべての人民元取引の基礎となっています。
人民元相場の変動は他の通貨とどう違う?
人民元相場は相場の急激な変動を抑える仕組みが整っています。
投機目的の取引を制限する「実需原則」が徹底されているほか、変動幅の制限や当局による市場介入が行われることで、価格の急騰・急落が抑制されやすいのが特徴です。
「政策意図」はどう影響するのですか?
経済指標の発表は、為替を直接動かす要因というよりも、当局の「政策方針」を読み解くための手がかりとなります。
例えば、景気減速を示す指標が出た場合、「景気下支えのために元安へ誘導するのでは」という予測が立ち、市場がそれを織り込んで先行的に人民元を売る動きを見せることがあります。
CNYとCNHの違いは取引にどう影響?
取引の主役となるのは、主にオフショア市場で流通するCNHです。
CNHは中国当局による直接的な規制を受けにくく、より自由な取引が可能です。そのため、国際的な市場心理や需給が反映されやすく、中国本土のCNY(オンショア)レートとの間に価格の乖離が生じることもあります。
まとめ
中国人民元は、FX等では取扱いはありますが、バイナリーオプション取引で取扱いをしている業者は少ない傾向があります。
取扱いが少ない要因として、中国人民元の特徴が影響しており、「管理された為替制度」である事、「中間価制度」この二つの要因が人民元の値動きを意図的に小さくしているからです。
中国人民元の取引を行う機会は少ないかもしれませんが、最近では金相場との連動が考えられており、人民元での取引を行わなくても、金相場の予測を考える際に利用される事もあります。
バイナリーオプションで中国人民元を取引する可能性は低いかもしれませんが、トレンドを知っておく事で取引がしやすくなる可能性は高いです。
サトウバイナリーオプションで利用する機会は少ないです。ただし、金相場などを予測する際に見る事もあるので、知っておいて損は無いと言えるでしょう。
